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キャリア教育とは
キャリア教育とは、子どもが社会人としてどのように成長していくのか、考える機会を与える教育です。
子どもが学ぶべきものは、それぞれの科目の知識技術だけではありません。将来に社会に出たときには、自らの進む道を考えていく力も、必要とされます。「あなたの人生をどのように作り上げていくのか」という問いは、国語や数学のテストの得点を上げるよりも、はるかに難しいです。
したがって、キャリア教育においては、性急に答えを出そうとせずに、子どもに考えるきっかけを与えることに重点が置かれます。
キャリア教育と進路指導の差
キャリア教育が登場する以前から、進路指導という言葉はありました。
進路指導は、就職や進学などの、子どもが学校を卒業した次の段階に重点が置かれます。
対して、キャリア教育は、より広く子どもの人生の成長を考えようとしています。
キャリア教育はなぜ生まれてきたの?
現代社会では、子どもの過ごす世界と、実社会に距離が生まれていますし、これからもどんどん距離が開いていくと予想されます。
なぜなら、子どもに安全で優れた教育環境を与えようとするのは、自然な親心だからです。
理想的な環境を整備すればするほど、子どもからは実社会が見えにくくなります。実社会をよく知らないままで大人になり、ニートになったり、就職してもすぐに離職してしまうことが、社会問題となっています。
キャリア教育の内容
キャリア教育は、職場体験・地域理解・異文化交流の、3つに大きく分類されます。
職場体験では、社会人がどのように働いているのかを見学し、将来の自分の姿を考るきっかけを得ます。技術研修は、すでに進路の定まった生徒を対象とするのに対して、職場体験はまだ進路の定まっていない生徒も対象にしています。
地域理解では、子どもの住む地域の活動に注目し、自分の生活環境がどのようなものか考えるきっかけを得ます。普段はあまり考えることのない、当りまえの便利さを支えるしくみを理解します。
異文化交流では、異文化に触れて、異なる文化を理解するとともに、自分の文化の再発見のきっかけを得ます。語学の学習と合わせて、留学という形を取ることもあります。
キャリア教育の評価
賛成:学校の教育には、実社会では役に立たないものもある。もっと実社会の要望を取りいれて、キャリア教育の時間を充実させてほしい。
反対:キャリア教育が大事なことは理解できるが、実際にどのような効果があるのか測定がむずかしい。ただ子どもが遊んでいるだけになってしまうのではないか?
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