- ホーム
- 記事
- 教育法制
- 大学附属制度
大学附属制度とは
大学附属制度(だいがくふぞくせいど)は、内部進学により大学へ進学する制度です。日本の私立大学を中心に実施されています。また、日常会話においてはエスカレーター式とも呼ばれますが、正式な呼称ではありません。
記事は2017年のものです。
受験により外部から大学進学する生徒に対して、大学附属制度により大学進学する生徒を、内部進学者・内部推薦者と呼び、区別する習慣があります。
大学附属制度の特徴について、理解していきましょう。
内部進学と外部進学
大学附属制度における内部進学は、外部進学と比較されて議論されることが多いです。
日本の教育制度において、大学受験は外部からの公募という形式で、入学者を決定します。しかし、大学附属制度においては、外部からの公募とは別に、各大学法人の附属校(ふぞくこう)の生徒のために独自の入学基準を設けています。この独自の基準にもとづいて進学する者は、内部進学者と呼ばれています。
なお、各大学の学生収容定員は、法により規制されていますので、内部進学者と外部進学者の比率は、各大学法人の入学方針(アドミッションポリシー)の反映と考えられます。
大学附属制度の利点
生徒の立場からは、カリキュラムの断絶が少なく、安定した学習環境を享受できます。また、受験を意識せずに、課外活動(スポーツ・芸術・コンテスト)に打ち込みながら、大学進学の権利が確保できます。
保護者の立場からは、子どもの進路が安定するので(受験結果に左右されにくいので)、生活の計画が立てやすくなります。
大学附属制度の批判
生徒の立場からは、学習意欲を喚起する機会が少なく、主体的に学習していかないと、学力が未完成になる恐れがあります。
外部進学者の立場からは、大学への内部進学者数の増加は、そのまま外部進学者の減少になりますので、進学機会が限定されます。
呼称の整理
「附属」は旧字であり、時と場合によって「付属」とも書かれます。「附属」が正式名で、「付属」が略名です。
「附属校」とは、日常会話における呼称で、厳密ではありません。厳密には、附属校、系列校、係属校、などのように、呼称が細分されています。これらの呼称は、各大学法人における位置付けによって定められています。附属校、系列校、係属校、の違いによって、内部進学の条件も違っている場合があるので、よく調べてから学校を選びたいです。
スポンサー広告