プログラミング教育の展望 2017

プログラミングは、個人が独学で学ぶ時代から、制度的に支援が求められる時代へと、変化しています。

例えば、コードアカデミー(CodeAcademy)は、プログラミング教育をウェブで完結できるサービス です。

MIT(マサチューセッツ工科大学)は、スクラッチ(Scrach)を開発・運営 し、低学年からのプログラミング経験を提供しています。

さらに、アップルの共同設立者であるウォズニアックさん(Stephen Gary Wozniak 1950--)は、ウォズユー(Woz-U) を開始し 、個人の労働技能の認証と、企業の求人政策を、結びつけようとしています。

このようなプログミング教育を巡る変化を、一般化・低年齢化・実業化の、3つのキーワードで理解していきましょう。

目次

プログラミング教育の一般化

プログラミングは、一部の人間が習得しておけばよい専門技能から、あらゆる情報発信の基盤となる一般技能へと、進化しています。

専門技能が、一般技能へと、位置づけが変更されることは、歴史的には、珍しくありません。

ある時代から、自動車の運転は「当たり前に身につけるもの」となり、携帯電話は「当たり前に扱えるもの」となりました。

そして、プログラミング(とコンピューターの知識)も、一般技能へと、位置づけが変更されてきています。

例えば、この記事自身も、伝統的な学校で習う「文章を書く技術」+独学の「プログラミング」で、執筆されています。きちんとした文章を執筆するためには、従来よりも多くの技術 を必要とするようになりました。(そして、学校は積極的に現代の執筆技術を教えるべきです)

書類を書く、プレゼンテーションの資料を用意する、数値・データを整理する。ホワイトカラーの労働のあらゆる領域で、特定のソフトウェアを扱えることが前提とされています。

つまり、「仕事を覚えること」は「プログラミングができるようになること」を、含むようになってきています。このような社会変化を、プログラミング教育の一般化と呼びたいです。

プログラミング教育の低年齢化

プログラミングの土台には、数学があります。

数学は、あらゆる先進国において、系統的なカリキュラムで教授され、入学試験の必須科目となっています。(数学の 試験を受けずに入学できる教育機関を、教育機関として認めないという極端な視点すらあります)

数学教育が、強い制度的な支えを得ていることは(数学を知らないまま大人になる人間が少ないことは)、素晴らしいことですが、一方で、数学の学習速度に、制限を設けることにもなっています (日本では学齢が、カリキュラム進行の規範となっています)。

そこで、数学の能力の完成を待たずに、プログラミング教育が開始できるように、低年齢向けのカリキュラムが登場していきています。

このような社会変化を、プログラミング教育の低年齢化と呼びたいです。

ちなみに、低年齢向けのプログラミング教育は、数学と算数の関係に、似ています。数学から、抽象性を減らし、低学年向けに最適化したものが、算数です。低年齢向けのプログラミングも、教材として最適化されたものが、登場してきています。

プログラミング教育の実業化

企業は、財・サービスの生産要素として、労働力を購入します。購入にあたって、労働者の品質が問題となります。

そこで、労働者の品質(その人間はどのようなことができるのか?)を、指標として提供する必要が生じます。労働者の品質の指標で、わかりやすいものは、英語の語学力のTOEICでしょう。

プログラミング教育においても、個人の技能育成とともに、その技能を反映して、労働市場への有効な指標(その人間がどれぐらいプログラミングができるのか?)を提供する流れがあります。このような社会変化を、プログラミング教育の実業化と呼びたいです。

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