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問題点 科目名がわかりにくい
学習を進めるにあたって、さまざまな科目が登場しますよね。
例えば、小学校では算数と呼ばれる科目が、中学・高校では数学と呼ばれるようになります。さらに、大学では理学部の下に数学科が置かれていたりします。
数と図形を扱う点では同じなのに、科目名がいくつもあって、初学者には混乱のもとです。できれば、整理したいですよね。
そもそも科目名はどうして変わるの?
科目とは、知識のある部分を選んで、名前を与えたものです。知識は永遠に変わりませんが、その選び方によって、科目名が変わってきます。
例えば、算数と数学には、数と図形が、共通に登場します。数の1・2・3、図形の3角形・台形・円、が共通に登場します。
しかし、算数と数学では、数と図形の扱い方が、異なります。
算数は、人間が生まれながらに持つ「数える能力」に重点を置き、「具体的な物事」を考えるために、数と図形を選び出しています。
数学は、人間のある時期に発達する「推論能力」に重点を置き、「抽象的な物事」を考えるために、数と図形を選び出しています。
数と図形の知識は、永遠に変わりません。変わらなくとも、どのように選び出すかによって、算数や数学という、異なる科目名が与えられています。
知識の海 科目の器
知識は、海のように形がなく、無限に広がりがあります。知識を全て知ることは、私たちには不可能ですし、増え続ける知識とどう対応していくのかは、21世紀における教育の課題です。
ただし、知識の量が増えたとしても、知識の優れた学習方法は、変わりません。
広大な知識の海から、科目という容器を用いて、私たちは知識の水を摂取します。
コップでもバケツでもホースでも、海から水を汲みあげることはできますが、汲みあげた水は、容器の形に従います。水は方円に従う。四角のコップなら、水は四角に見えて、丸いバケツなら、水は丸く見えます。一見すると、同じ学習内容であっても、異なる科目名が与えられているのは、知識に形を与える方法が(つまりはカリキュラムが)異なっているからです。
科目は、知識を学習しやすくするための容器なのです。
現代的に言い換えれば、情報に構造を与えたものが知識であり、知識をさらに学習しやすく組織したものが、科目といえます。
知識の3大分類
科目の下には、広大な知識が広がっています。そこで、科目の整理に先立って、まずは、知識とはどのようなものなのか、理解を深めていきましょう。
知識は、大きく3つに分類できます。自然科学、人文科学、社会科学、の3つです。
自然科学 人か物か?
自然科学は、人間以外の物を、探求します。自然科学は、物を対象にし、人文科学・社会科学は、人間を対象にすると、まずは覚えましょう。
算数、数学、理科、プログラミングなどは、人間以外の物を対象としているので、自然科学に含まれます。また医学も、人間をまずは物として見ることから始まりました。
人文科学 人間個人
人文科学は、人間個人の性質を、探求します。
人文科学は、自然科学のように物を対象にせず、人間を対象にします。そして、人文科学も社会科学も、人間を対象にしますが、対象の 範囲が異なってきます。人文科学は人間個人を単位に考え、社会科学のように人間集団を単位には考えせん。
言語、芸術などの科目が、人文科学に含まれます。
社会科学 人間集団
社会科学は、人間集団の性質を、探求します。
社会科学は、自然科学のように物を対象にせず、人間を対象にします。そして、人文科学も社会科学も、人間を対象にしますが、対象の 範囲が異なってきます。社会科学は人間集団を単位に考え、人文科学のように人間個人を単位には考えません。
政治・法律・経済などの科目が、社会科学に含まれます。
文系と理系
いわゆる理系と呼ばれる科目は、ほぼ自然科学に含まれると考えてよいでしょう。また、文系と呼ばれる科目は、人文科学か社会科学に含まれます。
小学校の科目はどこに含まれるの?
小学校の算数と理科は、自然科学に含まれます。小学校の理科は、自然科学の知識を、小学生向けに学習しやすくした科目です。
小学校の国語と英語は、人文科学に含まれます。
小学校の社会(歴史、地理、公民)は、社会科学に含まれます。小学校の社会は、社会科学の知識を、小学生向けに学習しやすくした科目です。
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